- 2022.10.6
- いちご園から「そっと教えます」
小豆島ふるさと村いちご園から「そっと教えます」PART127
2022年度の育苗準備等、ツイッターで発信したものを、備忘録として8月~定植までをまとめました
8月1日
活着に時間を要しております、さぬき姫(上)とよつぼし(下)。挿し芽後10日以上が経過し、ようやく立ち上がってまいりました。しかしまだ夕方には首を垂れる苗もあり、ミストで給水を行い、今しばらく過保護管理継続です。
結果として、遮光ネットを取り除き、十分光を充てることで活着度合いが早まった感じです。しかしどのタイミングで遮光ネットを外せば良いという、確固たる根拠はまだありません。
8月3日
活着して萎れなくなって久しい苗から、日光浴開始です。硬目の葉柄と、バシバシとした葉の仕上がりを目指しています。それと同時に養液管理、防除も本番開始です。
女峰に続き、空音も遮光ネットを取り除き、本格的な大きく育てる(株元を太らす、葉を大きくする)育苗の開始です。
8月6日
挿し芽後3週間が経過した空音、しっかりと新葉も出ており、挿し芽直後(下)に比べて、どっしりとした姿となりました。これからは病害虫重視の管理になって行きます。
昨年は空音も活着が悪く、かなりの挿し芽が枯れてしまいました。深く挿し芽をしすぎると生長点に土がかぶり、病気の要因になる場合が多いと聞いていたため、昨年まではごく浅く挿し芽をしていました。今年は今までよりも深く挿し芽を行い、結果として不活着苗が減少しました。日光を当てること3日目で、苗の立ち上がりが顕著になりました。
8月7日
よつぼしは少し活着に不安は残りますが、1回目の摘葉終了し、本日より遮光ネットを取り除き、株元がグーンと太ることを期待し、太陽の下、日光浴開始。過保護管理はさぬき姫(下)のみとなりました。
よつぼしは元々の挿し穂が大きいものが多く、葉の展開も大きな葉が摘葉できると、旺盛になる感じです。
8月10日
まだ完全活着に不安は残りますが、本日さぬき姫も遮光ネットを取り除き、日光浴開始です。やはり一週間先に、日光浴を開始した苗の葉の厚み度を見ると、どうしても鍛えたくなります。
さぬき姫は女峰、空音、よつぼしに比べて、日光を浴びさせてもすぐには、新葉の展開が増す等の顕著な効果が表れづい感じです。
8月12日
活着が遅れて新葉の展開が進んでいなかったさぬき姫、遮光ネットを取って、光を充分に当て、挿し芽時の大きな葉を摘葉することで、ようやく新葉が展開し、立ち上がりました。
上記のように記載はしたものの、多品種に比べれは生育に時間が必要のようです。この先10日ほどしてから、ようやく顕著な生育が出始めました。
8月14日
奥側が挿し芽後4週間を過ぎた空音、手前が挿し芽後4週間弱を経過し、昨年同様、早期に活着出来なかったよつぼし。空音は新葉展開速度も早まり、しっかりと根を出ています。よつぼしは今からモリモリと育ちそうです。
よつぼしに関しては、株もとに日光が当たるように大葉を取り除き、挿し芽時程度まで再度葉数を少なくしました。
8月23日
さぬき姫は挿し芽後1ヶ月が過ぎて、ようやくやる気のある新芽を発生させる苗が増えてきました。今まではなんとか活着してます、根は伸びてますが多く、新葉に障害が出るものも多かったさぬき姫。葉の展開速度も上がり、少し摘葉にも手がかかるようになってきました。
新葉が明らかに分厚く、いかにもやる気のあるものが展開してくると、ひと安心です。
8月23日
熱消毒を行っていた棚のマルチを、取り除く作業を、昼から開始。止めているパッカーを取るため、立ったり座ったり結構な運動量。20列の棚からマルチを下ろしたところでグロッキー。マルチの回収は明日に持ち越します。
定植に向けての作業スタート。この後栽培棚に病気予防のため、有用なバクテリア散布→株の抜き取り→ミネラル分施肥→耕作→培土補充→潅水チューブ設置→マルチ設置→定植ピッチ採寸(女峰18㎝、それ以外は20㎝)と準備を進めます。
8月25日
さぬき姫も挿し芽後1ヶ月が経過して、たくましくなってきました。2週間後に定植を予定しており、さらなる成長が望まれます。
定植予定数の単純な計算ミスで、挿し芽を定植数とほぼ同数しか行わなかったため、不活着の苗数を考えると、この時点で定植数に相当数(50本~60本)足りないのではと覚悟していました。結果としては生育の芳しくない苗も、本圃でのリカバリーを期待してすべて定植したため、10本程度足らずで大きな痛手となりませんでした。
8月26日
よつぼし(上)、空音(下)とも、硬目の葉柄とバシバシとした葉の仕上がりに近づいてきました。あと10日ほどはこのまま成長を促し、その後は花芽形成を促すため、窒素濃度を抑えて成長の鈍化をはかります。
この時点では順調に推移しておりましたが、この定植準備に業務をシフトしたため、葉かぎ等の手入れが疎かになり、葉が込み合い、徒長気味になった上に、予防を行ったため薬害を招き、定植まで葉に影響が残りました。
8月27日
さぬき姫も他の品種と比べても、そん色の無いぐらい成長が追いついてきました。葉の厚みも増し、灌水量もたっぷりと必要になってきました。
8月28日
定植に向けて、栽培棚の古い株を除去中。残すところハウス1棟約4500本となりました。1棚約350本で除去するのに約1時間、今日は曇天のため、多少ピッチは速めです。
この作業はかなり心が折れる作業です。
9月2日
栽培棚の熱消毒の片付け、株の抜き取り等で、苗管理が10日間ほど手付かず、あっという間にパレットの境もわからない状態。育苗の仕上げに向けて摘葉、病害虫の予防を行い、定植準備に進みたいと考えております。
一度手入れを疎かにすると、リカバリーには相当の労力が必要となり、手入れも、薬剤散布も見切り発車となり、あまりよくない結果を招きます。
9月10日
よつぼし(上)、さぬき姫(下)、共に育苗での生育は出遅れましたが、他の2種類にようやく追いついた感じです。昨年同様窒素は切らず、低濃度に落として、定植まで毎日液肥を灌水予定。さぬき姫は一足先に定植準備を進めております。
育苗しているハウスは、栽培スペースと共用のため、定植タイミングの早い種類から、空いた栽培棚に植え付けていきます。当園ではさぬき姫が先頭バッターとなります。
9月14日
今年こそは業者さんに、穴あきマルチをお願いしようと考えておりましたが、気が付けば今年も1万箇所以上の穴あけ、地道な手作業で行っていました。
インターンシップ生が、さぬき姫の定植分の採寸を行ってくれました。
9月16日
この12日、13日にマルチ張り、採寸などの定植準備に、従事してもらったインターンシップ生が、13日に定植したさぬき姫。一部の苗は根っこが伸びて、引っ張っても持ち上がらないものもあり、暑い中でも着実に活着が進んでいるようです。
◎いちご栽培管理体験のひとつとして、定植作業を今後考えております。
9月18日
日本中でも数えられるほどしか栽培されていない空音。栽培管理等を先行して栽培されている方から、色々アドバイスを頂くのですが、ふるさと村ではものにしていないのが現状。今年こそなんとか会得したいものです。
今年は育苗パレット大(24穴)、小(35穴)や、定植タイミングを変えて、頂果房が揃うパターンを試しております。
9月27日
一つのハウスは育苗と栽培が共有のため、苗の大移動後、耕作し、灌水チューブ、マルチを設置して定植準備。栽培の種類を増やすと、定植時期も異なるため、定植終盤はこの繰り返しです。
空音の育苗スペースに女峰を定植するため、他のハウス2列に空音を定植し、残った空音を女峰の行く育苗スペースに移動し、空いたスペースにマルチを設置して女峰を定植。
10月1日
今日から10月、本日、空音2列を定植して、さぬき姫から開始した1万余りの定植が2週間かけて完了。こんなに時間をかけて定植したのは初めてで、どんなパターンで収穫開始となるのか?期待と不安が半々です。