スタッフ・事業課ブログ

2022.3.11
いちご園から「そっと教えます」

小豆島ふるさと村いちご園から「そっと教えます」PART124

今年もよつぼしの奇形果発生

 よつぼし不受精果2022.3.11

 栽培開始3年目のよつぼし、毎年1番花~3番花で高い奇形率となっていました。授粉用のみつばちが、よつぼしの花を好き過ぎて過剰訪花することが原因と、栽培開始当初から言われていました。程度はよつぼしよりも少ないが、空音も傾向があるようです。

 今年は1番花、2番花とも低い奇形率で推移、みつばちの放飼条件は例年と変わらないため、今までの奇形原因は過剰訪花ではなく、今年から定期的な花芽分化誘導等のため、液肥濃度を30%程度低く抑えて給液したことが、寄与したのではと2月前半までは考えておりました。

 しかし2月中旬から収穫時の奇形率が上昇し、3つあるハウスの内、2つのハウスのよつぼしがほぼ奇形となり、前段の液肥濃度の変更による、奇形果改善の推測は見当違いとなりました。

 普及所の方に相談すると、やはり過剰訪花による不受精果の発生が妥当では?との見解。でも1つのハウスはほぼ不受精果はなく、少し疑問が残る答えでした。条件の違いは?と考えた結果、今シーズンはコロナ禍でも、いちご狩りを催行するのに際し、ハウス内を換気するため、換気扇が繁盛に回るように、各ハウスとも例年よりも2度下げて換気の温度設定。その後感染急拡大のため、いちご狩りを中止した際に、3つのハウスとも本来の温度設定に戻したつもりが、奇形果が発生していないハウスは、温度設定を戻し忘れており、ハウス内の温度が他の2つのハウスに比べて低くなっており、過剰訪花が防げたのでは?と疑問が解決しました。それ以来例年よりも2度低い換気温度設定に戻し、不受精果が低減できるかを検証中です。過剰訪花=よく授粉がなされるのでは?と思いますが、まだ受粉する態勢が整っていない、未開花の花にみつばちが訪花し、おしべを傷つけてしまい、結果として不受精になるようです。その時の温度、花数によって程度はかわるようですが、同じハウス内で栽培している女峰、さぬき姫では、その現象はほぼ起こりませんが、みちばちをより引き寄せるよつぼしと空音では、発生する傾向にあります。

 ちなみに形は歪ですが、きれいに受精されたいちごよりも、熟すまで余分に時間がかかり、おおむね味は逆に濃厚な実が多くなります。いちご狩りでは利用価値十分ですが、パック詰めでは商品価値はほぼありません。

 また定期的に花芽が形成されない空音に関しては、液肥濃度を低く抑えたため、女峰を始めとした他の3品種と同等の花芽形成となっております。

 ※以下の画像は、しっかり受精したよつぼし 

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