小豆島の春は青く、どこまでも白い。
遠く四国をのぞめば、
源平の古戦場、屋島の姿も霞んで見える。
海水のぬるむ頃、潮の干満の差はしだいに大きくなって、
波間に見える岩かげには、
ひねもす若布がゆれている。
日が昇る頃、海岸近くにいると、
うすい朝日を浴びた若布刈舟が岩場に近づき、竿をさす光景が見られる。
竿の先の鎌で引き揚げられるのは、茶褐色の若布・・・島の春の風物詩。
夕方になると、
昼間の満ちた潮はいつの間にか遠くへ引いてしまい、
島のあちらこちらに干潟ができる。
誰かれとなし言い合って、貝ほりに行く。
大きいのやら、小さいのやら、あさりがとれる・・・島の春の風物詩。
あとは、一家団欒の湯気が立ち昇る。
ふるさと荘厨房